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世界の光・親鸞聖人の教えを世界に! 夢は大きく、現状には厳しい目を!
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DVD「親鸞さま」で、はてな?おかしいな?と思うところを、いくつか。

9歳、青蓮院で。
出家得度を願い出た松若丸に、慈円僧正が、「きょうはもう日が暮れた。
得度は、明日に」という場面があります。
これじゃ、午後遅くに訪ねてきた松若丸が悪いみたいです。「もっと、
早く、来てくれればよかったのに」という恨み節さえ聞こえそうです。
史料によれば、当時、得度をするには、朝廷への届出やら、手続きで、
一週間ほどかかったのを、特別に、明日、致しましょう、と慈円がはか
らってくれたのでした。そこをさらに「明日ありと 思う心の あだ桜」
の歌を示されて、本日中に、お願いしますと、願われたのでした。
聖人の心の理解不足&史料の調査不足。

35歳、承元の法難で。
今生のお別れとなる恩師法然上人との場面、キリッと前を向き、ご面会
されるカットがあります。
「会者定離 ありとはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりけり」
と、悲嘆なされた親鸞聖人を、法然上人は、
「別れ路の さのみ嘆くな 法の友 またあう国の ありと思えば」
と、慰められたのでした。
「さのみ嘆くな」と慰められたのですから、よほど嘆き悲しまれたのでしょう。
そんなお悲しみの映像が、無い。
聖人の心の理解不足&和歌の読解力欠如。

全編にわたって。
親鸞聖人と、少女・春との背丈が同じ!
そんなことはありません。
親鸞聖人についての基本的な認識不足。
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 先日、宗報の話題を書いたら、ある人が、昨年のだけど
こんな話題がありましたよ、と教えてくれた。例の北陸の
S会と、宿善論争を引き起こす発端を作ってしまった紅楳
英顕司教が、6月号に、こんなことを書いていたのだ。

「わが身に信がなければ、人に信をとらすことはできない
のであり、自信教人信ということも、まずわが身が信心決
定の人でなければならないのであります。
 信心決定者の救済体験の事実からの情熱によってこそ、
教学伝道の振興がなされていくものと思います。
 信心未決定者の救済体験の事実なき教学伝道では、これ
からの社会の人々の心には響かないことでありましょう」

 ああ、またこんなこと書いたら、S会ならずとも、真宗
を少しでも学んだ人からは、鋭く攻撃されちゃいますよ。
 冒頭の一文でも、「じゃあ、わが身に信があれば、人に
信をとらすことができるのですか」と言われてしまいます。
 また、後段についても、「では、信心未決定者は、布教
伝道してはならないのか」と、切り込まれます。

 ここに掲載していない全文を見渡せば、もうツッコミ
どころ満載の、論文で、やはり、勧学ではなく、司教で
とどまっているのも、道理だな、と思います。

 いや、待てよ。
 これは、「私は、信心未決定者だから、人々の心に響く
伝道はできないんですよ」と、言いわけしているのか?
 ああ、そういうことなら、この熱意のカケラも感じない
論文も、うなずけますか。
 新聞の連載小説というのが、今どき、どの程度読まれるか
分かりませんが、作家の五木寛之氏が、出身地である福岡で
トップシェアをほこる「西日本新聞」に、9月1日から連載
小説を開始する。

 以下は、五木氏自身のコメントである。

「〈作家の言葉〉ひさびさの新聞連載なので、不安もあれば
 プレッシャーもある。しかも主人公は親鸞だ。時代は激動
 の中世である。作者としては武者ぶるいを禁じえない。
  とことんわかりやすく、明日がまちどおしいような面白
 い作品を書こうと思う。できればそこに、いくばくかの深
 さも欲しいと願うのだが、それは傲慢というものだろうか」

 まあ、傲慢でしょう。
 大手書店の人に、五木氏の「私釈 歎異鈔」について尋ね
たところ、「あれは、五木サンのエッセイであって、歎異鈔
とは別物ですね」と、一蹴されてしまった。
 角川の編集者にあった時にも、「五木さんに、親鸞なんて
書けませんよ」と、一笑に付された。
 
 たしかに、五木サンのファンの皆さんは、どんな内容だろ
うと、五木サンの名前さえあれば購入されるので、そこそこ
の部数は出る。だから、版元も、出して損はない、と思って
出版はする。
 しかし、その内容については、プロたちは、上記のように
みているのである。
 そりゃ、もちろん、彼らも、真宗の教義にはプロではなか
ろう。だが、その他の著名な学僧たちの親鸞研究を読んでは
いるから、それらと比べて、中身の薄っぺらさに、気づいて
はいる。

 最近出た、「人生の目的」にしても、親鸞の言葉を、さん
ざん弄んだあげく、「人生に目的などない」と放言した。
 これには、宗門内部でも、「あんなこと、言わせていても
いいのか!」と、怒りの声があがったほどだ。
 つまり、「親鸞聖人の教えでは、生きる目的もないし、
生きる意味もない」ということになり、これじゃ、自殺抑止
どころか、自殺助長の典型となってしまう。真宗人として、
黙っておれない。

 さて、そんな五木氏の、連載小説だが、例によって、五木流
のかってな親鸞像が描き出されることだろう。いや、あくまで
私的な予感ですが。
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