本願寺展の入場者１０万人

　九州国立博物館で９月２２日から開催中の「本願寺展」の
入場者数が、１０万人を超えたとのこと。
　宣伝経費と労力をかけた割に、これだけの日数かかって、
この入場者数か、などと、いろいろな感想、意見があるかと
思います。
　全国６ヶ所で開催する、今回はトップになるのですが、さて
次回以降、どんな展開があるか、見守りたいと思います。

　唯一つ確実にいえることは、
「現代も、多くの人が親鸞聖人を慕い、教えを求めている」
ということです。でなければ、１０万人の来場者は、考えられ
ません。
　その聖人の教えを開顕することこそ、私たちに課せられた
大きな責任であると、思わずにおれません。
　ひまつぶしにロックバンドなんかに興じている場合ではない
ということです。

みなみな心を一つにして

　岐阜県のある女性から聞いた実話です。
　ご住職が法事に来られた時、
「御文章に、みなみな心を一つにして、と仰せです。
　これは、家族はいつも仲良く、心を一つにしていきなさい。
　ケンカをしてはなりません、ということです」
と、お話しされたそうです。
　この女性、少しく勉強しておられる方で、
「ご住職、それは違うのではありませんか。
　一心に弥陀をたのみたてまつりて、と蓮如上人は仰せです。
　阿弥陀仏一つに心を向けよ、ということではありませんか」
　絶句したご住職、頭をかきながら帰り、次から来なくなって
しまったそうです。
　また、あるご僧侶、この女性のご主人の葬儀の場で、「法話」
の時間をとってあったのですが、自分では一言も話さず、例の、
「千の風になって」を一曲流して、それでチャンチャンでした。
　これには、この女性だけでなく、参列者も唖然としたとか。

　まあ、このご住職やご僧侶だけ特別勉強不足なのかも知れませんが、
御門徒の皆さんのほうが、よほど勉強しておられるようですので、
布教の任にある者、よくよく心して、臨まねばならないでしょう。

「無常」と言うわりには「時間つぶし」だって

　今朝の「みほとけとともに　　西本願寺の時間」を聞かれた方、
いかがでした？　
　私は、谷川弘顕氏のギャグに、大爆笑しました。

「お釈迦様は、おさとりの一つとして、諸行無常と教えられました」
　それは、いいのですが、その直後、
「先日、時間つぶしに入った書店で、こんな言葉に出会いました」
　おやおや、諸行無常、中でも最も深刻な無常は、私達の命、
寸刻も無駄にできないから、
「一日も、片時も急ぎて、信心決定して」
と、蓮如上人は、手に汗握って、ご勧化になっておられます。
　なのに！
「時間つぶし」とは、何事ですか。つぶすような時間が、あなたには
あるんですか？
　
　しかも、です。
　そこで手に取ったのが、ご門主の本だとか、いうのならば、まだ
多少なりとも、分かります。
　よりによって、唯物論者の、養老タケシの本であったとは！
　その養老の本を読んで、その言葉に感銘をうけたとかで、その後の
時間、そのことを滔滔と語ったのでした。

　ですから、いつも言っているでしょう。本願寺は、どなたを宗祖
と仰いでいるのですか。養老氏ですか、五木氏なのですか。まして
や、ひろさちやなんかじゃないでしょうね。

　宗祖親鸞聖人のお言葉を挙げ、これを現代の人にもわかりやすい
言葉で説いていけば、必ず、親鸞聖人の計り知れない魅力によって、
多くの人が、聞かれるようになるのです。現に、それを実践して、
成功している例もあるじゃないですか。

　時間つぶしで、養老の本を読んで、カンゲキして、それを大切な
法話の時間に、滔滔としゃべる。放送料金の無駄遣いもいいところ
だし、その出所は、尊い浄財ではないですか。
　ご門徒の皆様は、そんな話が聞きたいんではありません。
　親鸞聖人のお言葉が、聞きたいのです。

　ましてや、本堂で、若手僧侶のバンドの、ロック演奏なんか、
聞きたくもないことです。
　おっと、このことは、また日を改めて書きます。