仏式結婚式はイイですよ

　このところ、本願寺新報で、仏式結婚式の話題を見かけます。
地方の寺院でも、若いカップルが微笑んでいる写真入で報道され、
少し前には、シャ乱Ｑや、モー娘のプロデューサーとして有名な
つんくも、「仏式結婚式よかったよ」という宣伝をしていました。

　とかく、葬式、法事、墓参り、という人間の死に関連した行事
ばかりが取り上げられて、というか、それが寺院の仕事みたいに
思われて、暗い、重苦しい、近寄り難い、というイメージができ
あがってしまっています。
　しかし、結婚式となれば、これは明るいイメージですよね。
　別にイメージ戦略ということではないでしょうが、最近、仏式
結婚式の話題を見かけます。

　もちろん、私も、仏式結婚式を挙げさせていただきました。
　静寂な仏前で、阿弥陀経の読経、誓いの言葉を発表し、念珠の
授与をうけ、三々九度のあと、恩徳讃を唱和して、記念撮影、と
それはそれは厳粛な式でありました。
　特に、阿弥陀如来の御前で、誓いの言葉を述べるところでは、
緊張しましたが、とてもよい思い出です。

　寺族の方のみならず、御門徒の皆さんも、そうでない方でも、
仏式結婚式、いかがですか。
　ヘヘ、きょうは、ちょっと雰囲気、違っちゃいましたね。

吉村隆真クン「浄土真宗ってカッコイイ」聞きました？

　毎度、おなじみ、聞いておりますよ。「みほとけとともに　西本願寺の時間」
先週に引き続き、今週も、熊本が誇る若きエース、吉村隆真クンの登場です。

　題して「浄土真宗ってカッコイイ」。
　ちょっと、ミーハーに流れ気味ではありますが、実体験に根ざしたひとこと
なんですよ。内容を聞いてみれば、分かります。

　「本物にふれると偽物にまどわされない」これは、宗教でも同じだ、と論じ、
「本物と偽物を見分ける方法は、疑ってかかることだ」と言います。
　たしかに、何でもかんでも、諾々と信じてしまっていては、迷信に振り回さ
れて大変です。疑ってかかる、まあ、そうでしょう。

「皆さんも、浄土真宗を疑ってみてください。私の知る限り、浄土真宗には
一点の曇りもありません」
という結論も、磐石の自信をもって、いわば「さあ、どこからでもかかって
来なさい」的は、語り口といえましょう。
　吉村クン、やるじゃない。
　ていうか、これ、検閲でカットされなくて、よかったね。

　そこまで言ってくれたので、二つ、注文です。
　一つは、せっかくここまで言うからには、親鸞聖人もそうおっしゃって
いるのだ、という根拠を示しておけばよかった。

「もしこの書（教行信証）を見聞せん者は
　信順を因となし　疑謗を縁となし
　信楽を願力にあらわし　妙果を安養にあらわさん」（教行信証後序）

　信じる人は、それを因として、仏法聴いてもらいたい。
　疑ったり、謗ったりする人も、それを縁として、聞いて欲しい。
　宗祖の御心を知らされる一文です。
　実際、祖師を殺さんとした山伏弁円でさえ、聖人のお弟子となり、明法房
と生まれ変わったのです。まさに、疑謗を縁として、でありました。
　疑うことも、聞法のご縁となるのです。
　このお言葉、出しておけばよかった。

　もう一つ。
「欲望に支配されている自分から解放されていくところにこそ、真の御利益
（救い）はあるのです」
　これは、意味不明、というか、強いて読み解いてみたのですが、欲望（これは、
煩悩であり、罪悪）に支配されているか、解放されているか、というところで
救いを語ってはならないことに、浄土真宗ではなっています。（意味を取り違え
ていたら、ごめんネ）
　いわゆる「罪の沙汰は無益なり」、研修で聞かれたでしょう。
「罪の有る無しの沙汰をせんよりも　信心をとりたるかとらざるか　の沙汰を
いくたびもいくたびもよし」
と蓮如上人は『聞書』に仰せです。信を獲たか、否かの沙汰をおおいにすべき
である。「さるべき業縁の催せば　いかなるふるまいもすべし」ですから、
罪悪で救いを論じてはならないのです。
　つまり、表現するとすれば、「欲望に支配され、欲望から離れ切れない私を、
そのまま救い摂ってくだされる」のが、弥陀のご本願ではないですか。
　ここのところの言い回しは、もう少々、検討したほうがよかったかな。

　いや、もしかしたら、原稿チェックの段階で、書き直されてしまったとか。
そうか、それなら分かる気がします。
　どこからも突っ込んでこれないように、わざとぼかした表現にすることって
ありますからね。そうか、そういうことも、有り得るなあ。いやあ、吉村クン、
いろいろなしがらみの中で、大変ですね。
　がんばってください。
　いや、熊本弁でいうと、「ガマ出しなっせ！」ですね。

アニメＤＶＤ「親鸞さま」は進んでいるのか

　8月1日の本願寺新報に広告が出て以来、音沙汰ないのが、
アニメＤＶＤ「親鸞さま　　～ねがい、そして、ひかり～」。
　制作、進んでいますか？　だいじょうぶですか？

　グループ・タックに制作を依頼して、最初は今年中には
完成発売、という予定でしたが、先日の広告では「08年春」
と、先延ばし。
　そりゃ、先発の
「世界の光　親鸞聖人」（発売・チューリップ企画）
全６巻が制作されていた時だって、制作の遅れはあったようですから、
まあ、あの業界では、珍しくないのでしょうが。

　いえいえ、「先発」は、本来、本派のほうなんです！
　「仏典物語」シリーズのあと、「念仏物語」シリーズが計画され、
前述の「世界の光　親鸞聖人」シリーズよりも前に、「えしんにさま」
とか「たんにしょう」とか、３巻ほど、出したんですよ。
　だから、先といえば、こっちが先なんですけどね。

　でも、まことにもって残念ながら、シリーズは、第４巻で制作中止
になってしまい、「世界の光　親鸞聖人」は、６巻まで完結してしま
ったのでした。
　制作関係者としては、忸怩たる思いでしょう。

　とはいえ、ＤＶＤで出すのは、こっちが先だ！　と思っていたら、
上記のチューリップ企画のリンクをたどってもらうと分かりますが、
あっちのシリーズも、今、ＤＶＤ化してるんですよ。
　ただ、なぜか、第６巻だけが、まだのようですけどね。

　よーし、ここは一番、「世界の光　親鸞聖人」の第６巻がＤＶＤを
出すよりも前に、「親鸞さま」のＤＶＤを世に出すぞ！、なーんて
関係者の皆さん、張り切ってるんじゃないですか。
　まあ、何かを縁として、奮起する、というのは、いいことです。
　おきばりやす。