３分の１しか期限を守らぬ宗勢調査

　一般の企業なら、とうに倒産です。提出期限を守らぬ
支社が３分の２もあるようでは、会社の体をなしません。
　以下は、西本願寺のホームページに、堂々と掲載された
文章です。

＜第９回宗勢基本調査について（ご報告）

　このたび、第９回宗勢基本調査を全寺院対象に実施いたし
ました。各ご寺院におかれましては、特段のご協賛を賜りま
したこと厚く御礼申しあげます。

　現在の調査状況をご報告いたします。本調査の提出期限は、
９月３０日までとしておりましたが、９月３０日現在で、
３，７７１通の返信を頂戴いたしました。これもひとえに
各ご寺院の宗門活動に対する深いご理解の賜物と重ねて御礼
申しあげます。

　現状において３，７７１ヵ寺の調査データを頂戴いたして
おりますことは、宗門の状況を把握するうえでは、大変あり
がたいことでありますが、より宗門の現状を把握し、諸課題
への適切な対応解決策を検討するには、まだまだ十分な数量
とは言えません。

　つきましては、本調査の提出期限を９月３０日までといた
しておりましたが、提出期限を１１月３０日まで延長させて
いただきたく存じますので、未提出の各ご寺院におかれまし
ては、本調査に対し、特段のご理解とご協力を賜りますよう、
お願い申しあげます。＞

仏教で教えられる諸善万行、それを六つにまとめた六度万行
の中で、二番目に教えられているのが「持戒」です。現代の
言葉でいえば、言行一致、約束を守る、ということになるで
しょう。

調査書類の提出期限を守る、というのも、至極当然のこと。
それさえ守れないようでは、親鸞学徒とか、仏法者という
以前に、社会生活さえもできないのではないでしょうか。

西本願寺（浄土真宗本願寺派）の末寺は、平成１２年末の
統計では１０４９７カ寺を数え、門徒数は約６９４万人。
集計にどれだけ時間がかかる調査だったかは知りませんが、
１万の寺のうち、提出期限を守ったのは、３分の１のみ。
善をすすめていてさえも、なかなかできないのに、すすめて
いなければ、なおさらでしょう。

これぞまさに「宗勢」をあらわす数字だと思います。