光真門主「昔はよかった」の長嘆息

　大谷光真ご門主のご親教には、正直、複雑な思いだった方も
少なくないでしょう。この中で、

「単純に昔と今をくらべることはできませんが、宗門に関して
いえば、昔はよかったということが、多いように思われます」

と長嘆息なされたのでした。
　宗門のトップとして、まことにつらい心中、お察し致します。
内憂外患、さまざまな問題が山積し、長期振興計画も遅々とし
て進まず、門徒拡大の最前線であるべき東京では、自殺行為と
しか思えぬ「東京ボーズコレクション」なんか、やっちゃって
くれるし。今年度に続き、来年度の予算も前年度比マイナスの、
超緊縮財政を余儀なくされています。

「ただ嘆いてばかりもおれません。今なすべきことをしっかり
はたしていきましょう」

とも述べられたのでした。じゃあ、今、何をなすべきか、との
点については、

「在家法話と、報恩講」

と挙げられたのでした。そういえば、北陸の有名な真宗教団は、
一対一の布教、各家庭でのきめ細かな法話会、勉強会を展開し
ていると聞きます。
　宗祖も、蓮師も、一軒一軒、訪ね歩かれ、法を説かれた、その
原点に帰って、布教伝道に立つ。
　今こそ、その秋かも知れませんね。