報恩講の目的は

　御正忌報恩講の月となり、ご本山もいよいよ忙しくなって
まいりました。
　各地からご参詣の皆様も、どうか道中お気をつけていらし
てください。まあ、暖冬で、雪は多くはないようですが、
どうも日曜日あたりから、寒くなるようです。特に京都は、
「京の底冷え」といって、朝晩はとても冷え込みますので、
どうぞご準備を。
　蓮如上人は、「御正忌」の御文章に、次のように書いて
おられます。
「この御正忌のうちに参詣をいたし、志を運び、報恩謝徳を
なさんと思いて聖人の御前に参らん人の中において、信心を
獲得せしめたる人もあるべし。また不信心のともがらもある
べし。以ってのほかの大事なり。その故は、信心を獲得せずば、
今度の報土の往生は不定なり。されば不信の人もすみやかに、
決定の心をとるべし」
　ご本山の教学伝道センターのサイトをご覧になると、次の
ように明記されています。
「学習会は、あくまでも南無阿弥陀仏の本願名号のいわれを
聞きひらき、信心獲得する聴聞の場です」
　このように、本願名号のいわれを聞きひらき信心獲得する
のが、聴聞の目的であります。
　そして、信心獲得とは、
「この信心を獲得せずば、極楽には往生せずして、無間地獄
に堕在すべきものなり」（御文章二帖二通）
と仰せの通り、未来永遠の浮沈を分ける、重大事なのです。
　そういう聴聞の場に出させていただくのだ、という気持ち、
ご参詣の方の中で、いったい何人がお持ちであるか、どうも
気がかりなのです。
　ご引率の任に当たるご住職のみなさま、そのあたり今一度
御門徒のみなさまによくよく徹底して頂きたいと願います。