金沢で「本願寺展」

　９月１９日から、石川県金沢市にて、親鸞聖人７５０回大遠忌記念の
本願寺展が開催されます。

　案内には、こうあります。

＜本展覧会は宗祖・親鸞聖人750回大遠忌をひかえた記念事業の一環と
　して開催され、親鸞聖人と歴代門主の肖像や絵巻物、浄土真宗の教え
　を記した「教行信証」「歎異抄」等の典籍類をはじめ、国宝「三十六
　人家集」に代表される雅やかな古筆、堂宇・書院の壮麗な障壁画等、
　国宝5件、重要文化財26件を含む約 150件で構成されます。＞

　つまりは、美術展を開催する、ということであって、この間、例えば

◆記念講演会　
　日時：2009(平成21)年9月27日(日)午後1時30分～午後3時まで
　場所：石川県立生涯学習センター＜聴講無料　定員300名（当日先着順）＞
　講師：金龍　静（本願寺史料研究所副所長）

◆ミュージアムウィーク協賛講演会
　日時：2009(平成21)年10月3日(土)午後1時30分～午後3時まで
　場所：石川県立歴史博物館　学習ホール＜定員80名＞
　講師：岡村喜史（龍谷大学文学部准教授）

こういうものは開催されますが、肝心の親鸞聖人の教えを、明らかに
しましょう、という講演会は、ありません。

　広く多くの人々にお届けせねばならぬのは、親鸞聖人の教えであって、
美術品、骨董品ではないはず。ましてや、覚如上人、蓮如上人ならば
まだしも、歴代門主の肖像を拝みたいという人が、どれほどいるという
のか。はなはだ、理解に苦しむ展覧会です。

　すでに、九州、四国、中国などを巡り、金沢の次は北海道で開催、
とも書かれていました。こんなことにご門徒や宗門校の学生たちの
大量動員をかけて、「入場者数○○人達成」などを、誇らしげに
「本願寺新報」に掲載していますが、集める場所も、目的も、違って
はいないでしょうか。

　蓮如上人は、御文章に仰せです。

「毎月両度の寄合の由来は、何のためぞというに、さらに他の事に
あらず、自身の往生極楽の信心獲得のためなるがゆえなり」
「せめて念仏修行の人数ばかり、道場に集まりて、我が信心は、人
の信心は、いかがあるらんという信心沙汰をすべし」

　美術品を見に来い、珍しいものを拝めるぞ、そんなことで人集めを
して（ついでに資金集めもして？？）、祖師聖人がお喜びになるとで
も思っているのでしょうか。
　心ある僧侶は、展覧会の会場の片隅でもいい、辻説法にでも立って
みてはどうか、などと夢想するのですが・・・、まあ、夢想で終わり
そうですね。